2016年度から実用英語検定は、4技能のバランスを重視した採点方式の採用や2級にライティングが加わるなど大きな変革を遂げました。 ライティング追加により合格率の低下が懸念されていましたが、合格率は2015年第1回と2016年の第1回を比較したところ27.0%から34.0%へ7.0%増加した、と日本英語検定協会が報告しています。
そして、2017年度からは準2級・3級にもライティングが追加されます。今回はライティングの内容に加えて、2016年度からはじまった採点方法もふまえた英検の攻略法をご紹介します。
2016年までの英検攻略法はもう使えない?! 合格のキーワードは「バランス」
2016年度の実用英語検定では「2級にライティングが導入(参考:英検取得者は有利? 2級に「ライティング」導入の事情)」にスポットライトがあたり、新しい合否判定方法が採用されたことについては知らない方も多いのではないでしょうか?
新しい合格判定方法をしっかり理解した上で挑まないと不合格になってしまうかも! それでは2016年度以前と以降の合格判定方法の比較してみましょう。
2016年度以前の技能別配点
[ Reading] 51/51 + [Listening] 34/34 + [Writing] 0/14 = 85/99
この配点であれば、Writingが0点だったとしても3技能の合計点が合格目安の7割を超えているため、合格できていました。
2016年度以降の技能別配点
[Reading] 750/750 + [Listening] 750/750 + [Writing] 0/750
各技能で均等にスコアが配分されており、2つの技能で満点を取ったとしても合格基準スコア1792を292下回り不合格になります。
尚スコアは統計的手法(TOEICと似たタイプの算出方法)を採用しているため、自身の正答数でスコア算出できなくなっています。
「ライティング問題1問だから捨てて、リーディングでスコアを取ろう!」といった方法はもう通用しません。 4技能バランスよく、各技能で8割とれるように勉強をして合格を目指しましょう!
2016年度からの新しい合否判定方法の詳細は日本英語検定協会のこちらのページで確認してください。
2017年度英検準2級・3級の「ライティング」導入による変更点
2017年度からの実用英語検定準2級・3級では、「ライティング」導入を含めたいくつか変更点があるので確認しておきましょう!(参考:日本英語検定協会プレスリリース)
- ライティングテストの導入
- 語句整序問題の出題廃止
- 解答時間の延長
- 検定料改定
協会独自の審査基準に基づく記述式の自由英作文問題を導入。
与えられた質問に対し、自分の意見と理由を論述する。
【審査基準】
準2級:日常生活の話題について書くことができる。
3級 :身近なことについて書くことができる。
ライティングテスト導入に伴い下記のような問題がなくなります。
しっかり文法が出来ていないと間違えてしまう大問3、なくなって嬉しい人悲しい人わかれる問題ですね。 ちなみに答えは5・3 です。
形式改定に伴い、筆記試験解答時間が準2級では65分から75分に、3級では40分から50分に、それぞれ10分延長されます。
ライティングテスト導入にあたり、検定料が見直しされ準2級が本会場5200円・準会場4800円、3級が本会場3800円・準会場3400円に改定されます。
以上、4点が大きな変更点となります。
準2級・3級のライティングテスト 高得点の鍵は「シンプル」
それでは、早速日本英語検定協会のホームページに記載された準2級、3級のライティング問題例と満点解答例を見てみましょう!
この大問1問で750のスコアが割り振られています。 なんとしてもここで高スコアを獲得したいですよね。 ぜひ下記の点に注意しながらライティングテスト対策を行ってみて下さい。
- 書き始める前にしっかり設問を読む
- 簡単な表現を使って伝えれるようになりましょう
- 論述に使う単語・文法をマスターしよう
- 見直しする癖をつけましょう
今回の問題の日本語で書かれた部分をご覧下さい。 例えば準2級だと「あなたの意見とその理由を2つ・・・」「語数の目安は25〜35語」とあります。 したがって、理由が1つしか書いていなかったり、10語しか書いていなかったりすると減点対象になると考えられます。 このようなケアレスミスを避けるためにまずは設問にしっかり目を通しましょう。
2つの問題・満点解答例を見て、「思っていたより簡単だな〜」と思いませんでしたか? 2つの解答共にそんなに難しい単語や文法を使っていないんです。 何より大切なのは、自分の意見をいかに「シンプル」伝えられるかどうかです。 難しい単語・文法を使って、スペルミスや伝わり方が変わってしまうよりも、簡単な文法・知っている単語で伝えられる方が重要、ということですね。
英検のライティング問題は「与えられた質問に対して自分の意見・理由を論述する」とあるので、ライティングの形式は似たものになると考えられます。 2つの解答例でも「意見(考え) → 理由」という構成です。 理由を述べるときに使う「because」や準2級の例で使用されている複数個の理由の解答法「I have 2 reason. First, ……….」など自分の意見を述べたいときに使用する単語・文法を覚えておくといいでしょう。
ライティングでは書けた達成感から見直しをおろそかにしてしまったり、第三者の視点で読むことが出来ず間違いを見落としてしまったりすることがあります。 ライティングテストは唯一の記述式! 小さなミスの積み重ねが命取りになるかもしれません。 単語のスペルチェックや文法のチェック、伝えたいことに矛盾がないかどうかなど普段から確認する癖を身につけるといいですね。
ライティングは経験や慣れが大切です。 まずは語彙や文法が正しいか気にしないで、シンプルにたくさん書く事を心がけましょう!