世界の最先端技術を持った企業、そして人々が集まるサンフランシスコ。 Apple、Google、Facebookなどの超有名企業が本拠地をおくこの地に、次世代の学校「Alt School」が誕生! 今回は「Alt School」を中心に“アメリカらしい教育観念”を紹介します。
Alt School とは?
「Alt School」はGoogleの元エンジニアMax Ventilla氏が創立したスクールで、現在はサンフランシスコを拠点にアメリカ全土6箇所に教室があります。 なんと、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグの支援も受けてニューヨークに校舎を作ったり、2017年までにさらに5校が開校予定だったりと、アメリカで急速に拡大しています。
「次世代の初等教育」と提言されているAlt Schoolは、「Personalized learning(個別学習)」という教育体制をとっており、「grad」という観念なしに、例えば英語は3年レベル・数学は5年レベルと言うように生徒の得意不得意に合わせた学習が可能となっています。 そして学習プランも生徒の関心や能力にあわせて、個別に作っていきます。
Alt Schoolの斬新な教育環境
Alt Schoolの教育体制が分かったところで、続いてはAlt Schoolのどういった点が斬新なのか、紹介しましょう。
- 年齢は関係なし、少人数での授業
- 街中全体が学校? 地域とのコミュニケーションも充実
- ハイテクな機能で効率よく情報共有
AltSchoolはマイクロスクールと言われ、各校舎80~150人前後、1クラス上限25人です。 この少人数でみっちり授業できる形態だけでなく、年齢関係なくクラスを編成します。 これにより、様々な年齢の人と過ごすことで社会性を養います。 年齢に関係なく共に過ごすことで、多様な価値観で物事を考えることに慣れるのでしょう。
Alt Schoolはマイクロスクールと言われる通り、とても小さく、校庭・体育館等がありません。 その代わり、近隣の体育館・博物館・図書館を利用します。 サンフランシスコでは子どもたちにより豊かな教育をうけてもらうべく、公共施設も充実しています。 学校の中でなく、これら公共施設で専門家やコミュニティと関わることは、貴重な体験になりますね。子どもたちが一生懸命勉強に励む姿を地域の中で身近に見られることは、周りの大人にとってもいい影響になっているのではないでしょうか?
さすが、Googleの元エンジニアが社長ということもあり、校内には様々な最新テクノロジーが搭載されています。生徒は「Playlist」というツールで、自分の予定・宿題・課題の提出状況や先生からのフィードバックまでチェックできます。 先生・生徒・保護者それぞれが1人の生徒を情報によって「見える化」することで、連携して教育を進めて行けます。
日本でもPersonalized learning?
一風変わったと見るか、理想の形と見るか、みなさんはAlt Schoolをどう感じましたか? 日本の学校教育では実現することは難しいと思ったかも知れませんが、Personalized learning(個別学習)は日本で全く取り入れられていないワケでもないんです。 日本でも、生徒自身で教科を選択できる「総合学科」や「単位制」を取り入れている高等学校が年々増加傾向にあります。 そして、今後ICT環境の普及により生徒・先生・保護者の3者間の情報共有はもっと安易になるでしょう。 案外遠い国の、遠い未来の話ではなさそうですね!