皆さん、教育という観点で大阪に何かイメージをお持ちでしょうか? 実は文部科学省「平成25年度全国学力・学習状況調査」の分析による3年ごとに発表される「いい子どもが育つ」都道府県ランキングで、2007年・2013年で最下位が大阪だったのです。 そんな大阪ですが、2015年に市長に就任した吉村洋文さんが「子育て・子どもの教育」に特に注力していることもあって今大阪が様々な教育改革に挑戦中です。 成功すればランキング1位も夢じゃないかも・・・
大阪市立の小中学校全校が大規模な教育ICT化!
2016年4月より大阪市の市立小中学校全校において、タブレット端末等のICT機器を活用した授業を開始することを大阪市教育委員会が発表しました。 対象学校数は422校、タブレットの総整備台数はなんと2万1,113台! その他にも、液晶プロジェクタや大型ディスプレイが5,511台、ノートパソコンが7,042台整備される見通しです。
単純に計算すると、1つの学校に50台のタブレット端末が導入されるので、1クラスまたは2クラスでのタブレットを使用した授業が可能となります。
英語4技能化を意識した高校入試へ
ICT教育の推進だけでなく、大阪府教育委員会では、「読む・聞く・書く・話す」の英語4技能化をバランス良く学習することを目的とし、平成29年度の大阪府立高校入学者選抜から、英語問題を大きく改革する施策を講じているそうです。 英語の学力検査問題を難易度別に3種類用意し、最も難易度が高いものは、グローバルリーダーズハイスクールに指定された10校を含めた英語教育に特化している学校・学科向けで、に以下のような変更がなされています。
- 「聞く・書く」の割合が大幅に増加
- 読解スピードが要求されるリーディング問題
- 設問文がすべて英語
今回の改革では、リスニング問題の配点を全体の20%→33%に、エッセイ等のライティング問題の配点はなんと今までの2.5倍! 8%→20%に、「聞く・書く」で全体の50%以上を占めるようになっています。
リスニング力を伸ばすには聴くことに慣れ、聴き取りのコツを会得して行くために、常に英語を聞いて耳を鍛えることが必要なのと同じように、ライティング力も自分が思うこと、伝えたいことを日頃から書く習慣をつけ、英語で表現することに慣れておく必要があります。 まずは自分の語彙力の範囲で様々なことを表現できるようになるといいでしょう。
リスニング・ライティング問題の配点割合が増えたことでリーディング問題は縮小されますが、英文の量が大きく増加することで対策が取られています。 従来の3倍近い英文量になるので、速い読解力が必要になります。
これは英語が苦手な生徒たちには一番の難題かもしれません・・・。 設問の意味がわからなければ、何を回答すればいいのかもわからないですからね。設問には決まった文言やよく使われる形式など傾向があると思うので、英語の設問文を読む慣れることが必要になります。
英検やTOEFLが府立高校入学選抜に役立つ!
英語4技能を測定する検定試験の英検、TOEFL iBT、 IELTSのスコアが平成29年度より大阪府の府立高校入学者選抜にて考慮されます。 英検は2級から、TOEFL iBTは40点から、IELTSは5から読み替え得点が加算されます。
入試では極度の緊張や体調不良により本領を発揮できなかったという生徒の声をよく聞きます。 事前に何度か挑戦できる外部検定試験でスコア取得しておくと安心して入試に臨めるかもしれません。
5歳児にかかる幼児教育の無償化
子育ての面でも大阪市は大きな取り組みを行っています。 平成28年度から5歳児にかかる幼児教育の無償化が予定されており、今後も段階的に4歳児や3歳児での実施も視野にいれているということです。 大阪から全国へこのような取り組みが広がっていくといいですね。
これからの大阪市の「教育改革」に目が離せません!