近年の急激なIT産業の発展により、「プログラミング教育」が注目され始めています。 「学校の授業でプログラミングを取り入れてみたい!」と考える先生や、「子どもをプログラミング教室に通わせたい!」という保護者の方も多いのではないでしょうか?
そんなプログラミングに注目する方には朗報! 平成28年4月19日の産業競争力会議にて、安部首相が「初等・中等教育でのプログラム教育必修化」を検討すると発表しました。 今回はプログラミング必須化の発表と共にすでに必須化している諸外国の現状等を紹介します。
「第4次産業革命」で求められるプログラミング教育
コンピューター、ソフトウェア、情報通信の分野を第4次産業といい、昨今ではスマートフォンやFacebook、LINE、InstagramといったSNSの普及、さらにAI(人工知能)やビッグデータ、ロボットといった技術革新が加わり、「第4次産業革命」と呼ばれています。
第4次産業革命によって、ものづくりの環境、仕事・雇用の形態が激変する時代に突入すると予測され、2020年に30兆円の付加価値が新たに創出されると試算するほどの経済効果が見込まれています。
従来にないスピードとインパクトで進行している第4次産業革命の中、政府は産業競争力会議にてITの高い専門性を持つ人材の育成を話し合いました。 この中で、「初等・中等教育でのプログラミング教育の必修化」を検討していることを発表し、さらに安部首相は「国際競争に勝てるか、今が若者の未来を左右する分岐点だ」と言及しました。
これまでのコンピューターの使い方を教える授業より、コンピューターを制御する能力の育成が重要だと判断しており、今後高等学校や大学での内容強化も視野にいれています。
プログラミング教育必修化は検討段階で目標年は示されていませんが、この気運からするとそう遠くない未来に思いますので、この発表に伴って産学官連携と市場が活発化するのではないでしょうか。
他国のプログラミング教育
世界中にはすでにプログラミングの授業を必修化している国が数多く存在します。 各国のプログラミング教育について簡単に紹介します。
- イギリス
- アメリカ
- フィンランド
- イスラエル
ナイトズーキーパーの生まれたイギリスでは、「Computing」という授業があります。(参考:「イギリスの学校に導入された新科目、「Computing」とは?」)
小学生から週1時間の授業でアルゴリズムの理解や、プログラミング言語学習を行います。
現在は「ICT」(日本でいう情報)を担当している先生が授業を教えています。
IT企業の一大拠点である「シリコンバレー」を有するアメリカでは、オバマ大統領が児童・生徒や教員、企業や地域に向けてコンピューターサイエンスがいかに重要であるかを説いた「Computer Science For All」という政策を発表しています。(参考:「オバマ大統領の大胆な教育支援策に見るコンピューターサイエンスの重要性」)
教育大国と言われるフィンランドでは、2016年秋よりプログラミング授業の必修化がスタートします。 フィンランドはIT産業国でもあるので、取り組みや今後の成果に注目ですね! (参考:「IT産業大国フィンランド、小学校からプログラミング必修に!」)
イスラエルと聞くと、政治や国際社会の面で問題の多いネガティブなイメージを持っている方も多いと思いますが、なんと1970年頃からプログラミング教育を行っているのです! 主に日本でいう高等学校で最低週1時間の授業があり、高度なクラスでは週3時間から5時間のプログラミング授業が行われています。
その成果であるでしょう、今では第2のシリコンバレーと呼ばれるほど多くのITベンチャーが生まれ、高度な技術開発で躍進的に成功しています。
プログラミング教室のブームが来る!?
第4次産業革命だ、プログラミングが重要だ、と言われても、人によってはプログラミング教育がどういうものかイメージできなかったり、学校で必修化されるまで待てなかったりすると思います。
一般的な教科と異なり、点数や資格でスキルを図りにくいですが、地域・社会の問題を解決したり、生活を便利にしたりするアイデアを形にできるスキルを得ることになるので、第4次産業革命にはそのような人材が多く求められると言われています。
民間では首都圏を中心にプログラミング教室やロボット教室が増えており、非常に人気があることから親の関心度が高まりつつあるのがわかります。 需要が高まりブームになれば、学習塾や英会話教室のように全国的に教室が開校していく可能性があります。 数年で子どもに習わせたい・習わせている習い事ランキングのトップ10に入ってくるかもしれません。
教室の体験授業や、ワークショップに参加できる機会があれば、お子さんだけでなく親御さんも一緒にプログラミングに触れられてみてはいかがでしょうか?